2025年7月11日、データセクション(3905)がNVIDIA製B200 GPUサーバー(5,000個/625台)の大型導入を正式発表。AIデータセンター事業本格化への動きが株式市場でも大きな注目を集めています。この記事では直近のIR情報、四季報・最新材料、そして「なぜAIデータセンターにサーバー導入がすごいのか」も含めて徹底解説します。
目次
1. データセクション(3905)会社概要・ビジネスモデル
データセクションはAI・ビッグデータ解析、ソーシャルメディア分析、DX推進支援を主力とするIT企業。2024年以降は自社開発AIクラウド「TAIZA」やAIデータセンター関連事業にも本格進出中。
2. 最新IR要約(2025年7月4日)
- 大阪府内に建設予定のAIデータセンターに、NVIDIA製B200(5,000個/625台)搭載GPUサーバー一式を、GIGA COMPUTING(台湾系)から一括取得
- 総額:2億7,250万ドル(約392億円)
- 理由:アジア最大級AI計算基盤の構築、AI事業の成長・国際競争力強化
- 2025年3月より自社AI基盤「TAIZA」サービスも本格ローンチ
3. AIデータセンターにサーバー導入、何がすごい?
1. AIの“脳みそ”=超ハイスペックGPUサーバー
- 今のAI(ChatGPTや画像生成AIなど)は、膨大な計算処理能力が必要。
- そのため「GPU」と呼ばれる“計算特化型のプロセッサ”を何千・何万個も束ねて使う。
- これらを大量に並べて「AI専用の巨大コンピュータ(=スーパークラスター)」を作るのがAIデータセンター。
2. NVIDIA B200は“世界最先端”のAI専用プロセッサ
- 今回データセクションが導入するNVIDIA B200は2024〜2025年時点で“世界最高性能”のGPU。
- 巨大なAIモデル(例:ChatGPT-5など)や最先端の研究、画像認識、創薬開発、株価予測など、あらゆる高度なAI処理を一瞬でこなせる。
3. 「B200」5,000個規模=日本最大級・アジア有数のAI拠点
- 一般企業や大学レベルでは、せいぜい数十個〜数百個レベルの導入がほとんど。
- 5,000個(625台)も一度に導入するのは、国レベルの国家プロジェクト級の規模。
- GoogleやOpenAI、Microsoftなど世界トップレベルのAI研究施設と肩を並べる本格的なインフラになる。
4. AIクラウドサービス・AI開発のプラットフォーム化
- 今後、多くの日本企業や研究機関が「AIを使いたい!」となった時、
- 自前でB200サーバーを買う→数十億円〜数百億円かかる
- データセクションのクラウドを使う→月額利用料だけで超高性能AIリソースが使える
- つまり**“AIのインフラを貸し出す”側に回れる**
→ サブスク型収入、ストック型の成長が期待できる。
5. 国策・成長産業ど真ん中で、日本経済のDX(デジタル化)推進の基盤に
- 政府・自治体・大手企業も「日本発AI」の開発・運用環境を求めている
- この分野で先行者になれば**“インフラ=参入障壁”**となり、長期的な安定収益と企業価値向上が狙える
つまり、データセクションは「日本のAI産業の土台」を担うプラットフォーマーを目指す、本気の成長投資を実行中。 単なる設備投資ではなく、日本発AIの本格成長を支える“要”となる可能性大です。
4. 四季報最新トピック・今後の注目材料
- 英国CUDO VenturesとのAIデータセンター提携でノウハウ・国際ネットワークを強化
- 国内AIインフラ需要の急拡大(生成AI/国策/企業DX)でテーマ買いが継続
- AIクラウド「TAIZA」商用化・大手パートナー獲得進展にも注目
5. 株価適正水準・投資戦略まとめ
1. 現状の株価とテーマ性
- 直近は3,000円〜3,500円レンジで推移し、AIクラウド/データセンター材料で「テーマ買い・投機資金」が集中。
- 2025年7月時点の時価総額は約550億〜600億円規模。
- 同業ベンチマーク(例:HEROZ、PKSHA Technology、ABEJAなど)と比べ、テーマ性+将来期待の割にはまだ時価総額は高騰しすぎてはいない印象。
2. 適正株価レンジの目安
- 現状の業績+ストーリー:
売上高(2025年3月期実績)は約26億円、営業利益はほぼトントンだが、<strong>今後AIインフラの黒字化・拡大が期待されている段階</strong>。 - 成長ストーリーが実現し、「AIクラウド基盤で収益化」できれば…
- 時価総額800〜1,000億円台(=株価4,000〜5,000円台)も射程圏内
- 「AI特需バブル」時の上振れを考えると、上記よりさらに高値がつくことも。
- 一方、進捗に遅れたり、資金調達/競争激化によるリスクも…
- 需給悪化やテーマ剥落時は、2,000円〜2,500円台まで調整する可能性も。
3. おすすめ投資戦略(シナリオ別)
- 短期狙い:
- 「好IR/話題材料→急騰」を狙う場合は、急騰直後の高値追いはNG。押し目(2,800〜3,100円)で拾い、ニュースや決算に応じて利益確定を。
- 中長期保有:
- 「AIインフラ事業の黒字化→安定成長」へのストーリーを信じるなら、分散買い&ポートフォリオの一部で長期保有も。
- 大型投資のため「資金調達リスク」や「プロジェクト進捗の遅れ」にも注意。
- 損切り基準:
- 短期なら**直近安値割れ(2,500円〜2,800円)**を目安に、リスク管理を徹底。
- 長期なら「AI事業収益化に明確な頓挫材料」が出た場合は、いったんポジションを軽くする判断も。
4. まとめ(戦略早見表)
シナリオ | 目安株価 | 投資戦略 | 備考 |
---|---|---|---|
短期・材料狙い | 2,800〜3,500円 | 押し目買い→好材料で売却 | ニュース・テーマ需給重視 |
中長期・成長期待 | 2,300〜3,100円 | 分散で現物保有 | AIクラウド事業の進捗を注視 |
悪材料・調整局面 | 2,000円台まで | 新規INは控え、押し目待ち | 資金調達/失速時は深押しも |
成長ストーリー実現 | 4,000〜5,000円台 | 利益確定 or 追加買い検討 | 業績・受注進捗で柔軟に判断 |
まとめ
データセクションは「AIインフラの主役」を狙う日本発のグロース株。直近のGPUサーバー大型導入は、今後の成長ストーリーの“本気度”を示す材料です。短期では値動きに注意しつつ、中長期のテーマ株・成長株投資としてポートフォリオの一部で注目しておきたい一銘柄です。
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